南九州・沖縄ユニットセンター(熊本大学)の小田政子、倉岡将平の研究チームは、エコチル調査の3,513人のデータから妊娠中のフェノール類ばく露と子どもの喘息発症の関連について解析しました。その結果、フェノールの1種であるブチルパラベンの高度ばく露は子どもの喘息発症との関連が示唆されました。また、4-ノニルフェノールのばく露も男児の喘息発症との関連が示唆されました。この結果により、妊娠中のフェノールばく露について、より適切な指標が確立されることが期待されます。
なお、今回の調査では妊娠中の母親から採取した尿検体からフェノール類を測定しており、子どものフェノール類濃度を測定していないといった限界があります。そのためフェノール類と喘息発症の関連を明らかにするためには更なる研究が必要です。