News Release

社会的帰属意識への介入によって大学での成功が促進され、1年目を修了する学生の割合が増加する

Summary author: Walter Beckwith

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

image: CTC retreat, Bloomington Indiana. view more 

Credit: College Transition Collaborative

米国の4年制大学22校に所属する2万6000人以上の学生に対してランダム化比較実験を行った結果、社会的帰属に焦点を当てた低コスト・短時間のオンライン介入によって、学生の成功と公平性が促進されることが示された。この傾向は、歴史的に達成率の低いグループの人々で特に顕著に見られた。米国で大学の学位を取得する確率は、人種・民族グループ間や社会経済グループ間で大きな偏りがある。大抵の場合、大学中退を食い止めることを目的としたプログラムは、効果の出方に個人差がある。こうした効果の不均一性を理解することは、多様な学生や教育機関に対してうまく機能する介入方法を考案するうえで非常に重要である。偏りを緩和し、大学での成功を促進する有望な方法の1つが、社会的帰属に関する学生の不安に対処することである。これまでの研究によって、社会的帰属意識に介入すれば学業成績が向上することは分かっているが、これが広範な大学や個人に一概に当てはまるのかどうかなど、効果に関する重要な詳細については不明な点が多い。Gregory Waltonらは、米国の多様な大学22校に所属する2万6911人の学生に対してランダム化比較実験を実施し、社会的帰属意識への介入がもたらす効果がどれほど不均一なのかを体系的に評価した。介入として、新入生にオンラインで簡単な読み書きが実施された。社会的帰属に関する懸念に対処するために、まず、帰属意識に関する不安に注目した上級生の調査結果を示し、次に、不安とそれをどのように改善したかを説明した学生の話を慎重に監修して提示し、最後に、将来入学する学生のために、参加者にもこうした話を書かせた。Waltonらによると、介入の結果、学生(特に歴史的に過小評価されているグループの学生)が全日制の学生として1年目を修了する率が増加したという。これは、学業全般の成功と今後の大学卒業につながる先行指標となる。さらに著者らは、毎年100万人以上の1年生が入学する4年制の教育機関749校でも、今回の研究結果が当てはまることを示している。関連するPerspectiveでNicholas Bowmanは、本研究がこの分野のこれまでの研究より優れている重要な点を3つ挙げて論じるとともに、この研究の欠点もいくつか指摘している。「幸いなことに、大学は、学生の定着率と卒業率を上げる取り組みの一環として、この実証された介入方法を実施することができる。なぜなら、Waltonらが研究で使用したオンライン素材は、誰でも自由に利用できるからである」とBowmanは述べている。

 


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