Christine BorgmanとAmy BrandはPolicy Forumで、大半の大学は、戦略的意思決定と計画立案のために生成するデータの活用に関して、産業界・ビジネス界・政府に後れを取っていると述べている。彼らの見解は、アメリカの12大学のリーダーへのインタビューを通して得た情報に基づいている。インタビューでは、重要な決定を行う際のデータ活用方法の検討における関係者の影響や、それぞれの大学でのデータの基盤と管理の状況などについて質問を行った。BorgmanとBrandはインタビューを通して、大学が各自のデータの収集と活用に際して複数の同じ課題に直面していることに気が付いた。たとえば、データの管理やガバナンスに関する職員の専門知識不足や、データへのアクセス・制御・使用・プライバシーに関する利害関係者間の緊張である。知識基盤・データ管理力・透明性のあるデータソースへの投資が、こういった課題の対処に役立つと考えられる。「大学に『データが豊富』であっても、戦略的優位性に向けたデータ資源の活用に悪戦苦闘していると『データが不足している』、コンセンサスやガバナンスの構築に必要な利害関係者との話し合いを始めることに抵抗を感じていると『データが見えていない』といった可能性がある。私たちは大学のリーダーに、意思決定のためには、より客観的で透明性のあるデータに基づいたモデルの採用を勧めます」とBorgmanとBrandは書いている。
Journal
Science
Article Title
Data blind: Universities lag in capturing and exploiting data
Article Publication Date
23-Dec-2022