News Release

牧草地と生物多様性・気候との相互関係が生態系サービスに影響を及ぼす

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

牧草地は世界の土地利用で最も大きな割合を占めているが、その地域の生態系サービスにどのような影響を及ぼしているのだろうか?今回Fernando Maestreらは、地球規模の調査を行い、牧草地の及ぼす影響は生物多様性、気候、土壌組成といった要素との相互関係によって決まることを示した。牧草地が生態系サービスに及ぼす影響について知識を深めることは、世界の牧草地の78%を占める乾燥地域にとって極めて重要である。牧草地から、10億人が栄養と収入を得ているからである。Maestreらは、家畜や野生の草食動物による放牧圧が高い場所から低い場所まで、6ヵ国にわたる98ヵ所の乾燥地域において、牧草地の影響を研究した。彼らはこれらの場所について、植物・動物・土壌生物の多様性、水の調整、炭素貯蔵、侵食、原材料(木材など)の供給など、9種類の生態系サービスを評価した。その結果、平均すると、植物種の多様性が高い寒冷地では、放牧圧の増加が生態系サービスにプラスの影響を及ぼすが、植物種の多様性が低い温暖地ではマイナスの影響を及ぼすことがわかった。著者らによると、多様な放牧システムを促進する取り組みをすれば、こうしたマイナスの影響を抑えて、土壌の炭素貯蔵を増やすことができるという。関連するPerspectiveでは、Amy GanguliとMegan O’Rourkeが、今回の研究成果が実行可能な気候変動政策に反映されるためには、牧草地の研究において学際的な文脈や協力が必要であると論じている。


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