新たな研究で、現在までに発見された中で最も輝く超新星について研究者らが分析しており、この超新星は通常とは異なる銀河に所属している。この発見は、超高輝度超新星(SLSNe)およびこれらがその属する銀河に及ぼす影響について重要な見識を提供している。SLSNeが最初に発見されたのは20年以上前のことであり、これらの例外的に明るく輝いて爆発する末期の恒星についてはほとんど知られていない。新たな記録を塗り替える超新星は2015年6月、ASASSN(All-Sky Automated Survey for Supernovae:超新星全天自動観測)システムを使用して発見された。Subo Dongらにより、ASASSN-15lhと名付けられたこの超新星は、現在までに論文で発表された他の超新星の明るさを少なくとも2倍ほど上回っていると分析される。さらに興味深いのはASASSN-15lhの位置である。大部分のSLSNeは、小規模だが、「頻繁に」恒星の形成されている銀河で発生するが、ASASSN-15lhは大規模で、むしろ静かな銀河系で爆発した。ASASSN-15lhの挙動が、水素の欠乏したSLSNeの温度および輝度に類似しているが、より強力であると著者らは指摘している。水素がないとすれば、ASASSN-15lhによって放出された極端な輝度は(太陽の約30倍の質量である)膨大な量のニッケルの崩壊か、または高速で回転して、高磁場を有する中性子星によってエネルギーが供給されていると著者らは推論している。ASASSN-15lhをさらに研究することで、SLSNeの不思議な特性について明らかにすることができる可能性がある。
Journal
Science