News Release

承認薬は血小板を保護しマウスを細菌血液感染から守る

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

49名の患者を対象とした研究で、細菌病原体である黄色ブドウ球菌の毒素が、体の血液を凝固させる血小板を破壊し、細菌血液感染時の死亡リスクを高める可能性があることが明らかになった。マウスを用いたその後の実験で、承認薬であるチカグレロルとオセルタミビルが血小板を保護し、感染の治療に有用であったことも明らかになり、これらの化合物が、大いに必要とされている血液感染症の治療薬に転用できることが示唆された。細菌血液感染の死亡率は支持療法を行っても20%~30%と高く、これらの死亡率は数十年間に渡り高いままである。血液感染症は敗血症や心内膜炎などの合併症も引き起こすことがあり、多剤耐性の増加は、公衆衛生にとってすでに深刻な脅威であったものをさらに悪化させている。黄色ブドウ球菌感染は特に治療が困難である。免疫細胞と抗菌薬から逃れて抵抗するためのさまざまな策略や防御機構を持っているためである。Josh Sunらは、黄色ブドウ球菌血液感染患者49名を検討し、病に屈した多くの患者は血小板(感染と闘うこともできる、血液を凝固させる小型の細胞)の数が異常に低かったことを明らかにした。フォローアップ実験から、黄色ブドウ球菌が、血小板タンパク質を破壊する毒素を分泌すること、および肝細胞の Ashwell-Morell受容体を介した血小板のクリアランスを促進することによって、血小板を標的とすることが明らかになった。しかし、承認された抗凝血薬チカグレロルと抗インフルエンザウイルス薬オセルタミビルは、黄色ブドウ球菌血液感染症のマウスにおける毒素誘発性のクリランスから血小板を保護し、生存を改善した。Sunらは、これらの薬剤を転用すれば、血小板注入と併用して、苦しんでいる患者の血小板数を回復させ保護できるのではないかと考えている。

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