新たに発見された足跡は、約150万年前にケニアのトゥルカナ盆地にある湖畔のぬかるみを少なくとも2種のヒト科が同時に通行していたことを示している。Kevin Hatalaらが説明しているヒト科の化石で有名なKoobi Fora遺跡でのこの発見は、この地域に複数のヒト科の種族が共存していたことを示す物理的証拠である。共存はこれまで、あちこちに散らばった化石の年代が重複していることからの推測でしかなかった。Hatalaらはその足跡から得られた歩き方や立ち方についての情報に基づいて、その2種はホモ・エレクトス(Homo erectus)とパラントロプス・ボイセイ(Paranthropus boisei)だと考えている。これは、更新世のヒト科の2種類の二足歩行パターンが同じ足跡表面に見られた初めてのエビデンスである。HatalaらはKoobi Fora遺跡のこの新しい足跡を調べ、その後、同時代の他のヒト科の足跡も分析し、トゥルカナ東部地域一帯には明確に異なる2種類の二足歩行パターンがあるという結論に至った。全体的分析から、様々な種が湖に面したこれらの生息地を同時に使用し、人類の進化の動向に影響を及ぼす様々な競争やニッチ分割があった可能性が示唆された。関係するPerspectiveではWilliam Harcourt-Smithがこの足跡が意味することについて論じている。
Journal
Science
Article Title
Footprint evidence for locomotor diversity and shared habitats among early Pleistocene hominins
Article Publication Date
29-Nov-2024