News Release

鳥の地理的生息域で端付近は採餌ニッチが狭い

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究者らの報告によると、地理的生息域の端では、果実食性の鳥はくちばしの大きさによりぴったり合う果実を好むという。このことは、採餌ニッチ(種が利用する食料資源の多様性)は種の生息域の端に近いほど特殊化することを示唆している。この発見は種の適応度における地理的変異を説明するのに役立つと思われるとともに、継続的な環境変化への種の反応を正確に予測するにも重要である。個体群の多くはそういった環境変化によって、従来の生息域の限界付近、若しくはその外側で生きることを余儀なくされている。動物は、自分たちの環境内で利用可能な資源の一部を常食している。最適採餌理論によると、種はエネルギーつまり栄養を最大限摂取するために食べ物を選ぶという。しかし、環境ストレスによって食べ物を変えざるを得なくなり、最適ではなくなることもある。地理的生息域の端近辺では利用可能な食べ物や資源が限られることもあり、それによって種の生息域の限界が決まる可能性がある。これまでの研究で種の生息域内で食の幅がどう変わるかが検討されてきたが、生息域境界の位置は、食べ物の選択を引き起こす要因(例えば、生息域の端付近での採餌状況によって食べ物が変わる)なのか、若しくは、食べ物の選択の結果(例えば、利用可能な資源の少なさで生息域境界が決まる)なのか、依然として明らかではない。Lucas Martinsらは、果実食性(果物を食べる)の鳥の様々な資源利用がその生息域内の各位置でどう違うかを調査した。鳥は生息域の端では、ストレスの多い状況で努力に対して最大の成果を得るために採る餌についてのえり好みが強くなるという仮説を立て、Martinsらは、6大陸126地点で記録された97種の鳥と831種の果樹種の果実 - 採食相互関係についてのデータを組み合わせて、生息域境界からの距離に応じて、鳥はどの程度くちばしに見合った大きさの果物を摂取しているかを評価した。その結果によると、鳥、特に非常に果実食性の高い種の場合は、地理的生息域中央部の鳥より端付近の鳥の方がよりくちばしに合う大きさの果物を食べており、結果として生息域の端の個体群では採餌ニッチが狭いという。PerspectiveではAnna HargreavesとJake Alexanderが、今回の研究とその限界について更に詳しく述べている。


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