News Release

オープンサイエンスである「COVIDムーンショット」で、COVID-19を治療するための新たな抗ウイルス薬を発見

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

2020年3月の開始以来、COVIDムーンショットコンソーシアムの研究は自由に利用できるが、ついに正式に結果が報告された。COVIDムーンショット(SARS-CoV-2ウイルスを標的とした、オープンサイエンスのクラウドソーシングした特許フリーの創薬キャンペーン)からは、新たな良い治療法開発への道を開くと考えられる見識を含めた、ウイルスの主なプロテアーゼに関する豊富なデータが得られている。「(これらの研究者らが説明している)リード治療薬は、医薬品承認のタイムラインと課題を考慮すると、現在のパンデミックに影響を及ぼすには間に合わない可能性がある」と、関連するPerspectiveでBrian ShoichetとCharles Craikは述べている。「しかし、このような化合物とそれを明らかにするために使用した技術は、今後のヒトの健康に影響を与えるだろう」。この新しい共同研究には、25ヵ国の47の学術団体・産業団体から200名を超えるボランティア科学者が参加した。「COVIDムーンショットは、感染性疾患の創薬の進歩につながるオープンサイエンス創薬の一例となる。感染性疾患は公的に重要であるが、民間部門からの資金が慢性的に不足している研究領域である」と、Melissa Bobyらは述べている。SARS-CoVB-2の主要プロテアーゼ(Mpro)は、ウイルス複製において不可欠な役割を果たしていることから、抗ウイルス開発の魅力的な標的である。既存の抗ウイルス薬パイプラインから得られたPaxlovidやXocovaなどの現在のSARS-CoV-2Mpro阻害薬は、臨床で成功している。しかし、これらの化合物の使用は比較的限られたままであり、ペプチドを模倣していることや共有結合骨格により、合成と投与の問題が生じている。今回、Bobyらが、現在のMpro阻害薬とは化学的に異なる、新規の非共有結合型非ペプチド阻害骨格の発見について発表した。Bobyらは、クラウドソーシングのアプローチと世界中の数百人の専門知識を活用して、機械学習、分子シミュレーション、ハイスループットの構造生物学と化学を用いたオープンサイエンスの創薬キャンペーンにより、SARS-CoV-2主要プロテアーゼとその生化学的活性の詳細な構造マップを構築した。Bobyらは、COVIDムーンショットコンソーシアムによって作られた18,000を超える化合物デザインから、有望なバイオアベイラビリティ、安全性、抗ウイルス活性を示すリード化合物を含む、いくつかの非共有結合型非ペプチド性阻害薬を特定した。プロジェクトのすべての化合物設計はオープンに共有され、将来の抗コロナウイルス薬の創薬のための豊富でオープンな知的所有権のない知識ベースとなる。


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