News Release

世界最大の海洋保護区であるパパハナウモクアケア海洋ナショナル・モニュメントで観測された波及効果

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究者らの報告によると、漁業データから、世界最大の完全な海洋保護区(MPA)であるパパハナウモクアケア海洋ナショナル・モニュメントにおける波及効果が明らかになったという。この新しい研究によって、この海域を保護するとその境界外の生態系まで保護され、メバチマグロやキハダマグロといった回遊種にもよい影響を及ぼすという証拠が得られた。MPAがその海域に生息する魚を保護している証拠はたびたび示されてきたが、多くのMPAは回遊種の地理的分布範囲に比べて面積が狭いため、これまでの研究では、マグロやメカジキといった回遊種に保護面や漁業面で波及効果が出る可能性はないのではないかと考えられていた。しかも、潜在的な波及効果を確認するのは困難だった。海洋生態系は複雑で、波及効果が出るまで回復するのに時間がかかる場合もある。さらに、MPAに指定されることで人間の行動が変化した結果、波及効果が覆い隠されたり誇張されたりすることも多い。今回、Sarah Medoffらは、パパハナウモクアケア海洋ナショナル・モニュメント(ハワイにある面積150万平方キロメートル以上の完全な海洋保護区)によって、漁業面で波及効果が出ているかどうかを評価した。Medoffらは、MPAが最後に拡大された2016年以前および以後に、MPAの近くおよび遠くで操業していた漁船ごとの魚種別漁獲率データを評価した。分析の結果、MPAを通過する2種の回遊種(キハダマグとメバチマグロ)も保護されており、パパハナウモクアケアの境界外にも、これまでは定住魚にしか見られなかった効果が波及していることを示す明らかな証拠が得られた。


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