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探査機オサイリス・レックスが採取したサンプルによって、小惑星ベンヌの表面下の組成が制約された

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American Association for the Advancement of Science (AAAS)

ScienceおよびScience Advancesに発表された2つの研究によって、探査機オサイリス・レックスが小惑星ベンヌのサンプル採取中に集めたデータから、この小惑星の表面は粘着力の弱い石で覆われていることが示された。Dante LaurettaらがScienceに発表した研究によると、採取された約250グラムのサンプルは、2023年に地球に持ち帰られ、研究室で分析される予定だという。一方、Kevin WalshらがScience Advancesに発表した研究によると、探査機に働いた力を分析したところ、ベンヌは重力が弱いため、粒子間の粘着力が弱い粒状の表層が形成されていることがわかったという。探査機オサイリス・レックス(OSIRIS-REx)は約2年かけて、石に覆われた炭素質の小惑星ベンヌ(直径約500メートル)を調査した。サンプル採取に最適な地点を検討した結果、直径20メートルのクレーター内の場所が選ばれ、ナイチンゲールと命名された。Laurettaらによると、2020年10月に探査機は表面に降下し、サンプルを採取したという。探査機のサンプル採取装置(TAGSAM)を小惑星表面に接触させ、窒素ガスを噴射することで表面下の物質を巻き上げ、それを採取装置の中に取り込んだ。サンプル採取の最中とその後に得られた画像データおよびスペクトルデータを分析した結果、表面下の物質は表面の物質よりも色が黒く、粒子が細かいことがわかった。この採取作業によって、デブリが巻き上がり、9メートルの楕円形クレーターが新たに形成された。

 

Walshらは、画像と加速度計データを使って、ベンヌの表面下10センチメートルまでにある物質の物理的特性を調べた。彼らは、探査機がベンヌ表面に接触した瞬間から、窒素ガスを噴射するまでの短時間に、探査機に働いた力を再現した。その結果、表面下近くの物質は、小惑星全体の平均よりも緩く詰まっていて密度が低く、粘着力が非常に低いことがわかった。間隙率が高く物質強度が低いため、塵やその他の小さな粒子は、小惑星の表面下に移動すると考えられる。ミッション中に集めたスペクトルデータと温度データから、今回の研究結果は、サンプル採取地点だけでなく、小惑星全体に当てはまることが示唆される。


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