News Release

気候変動は高年齢層より若年齢層にとって重大な脅威である

Reports and Proceedings

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Wim ThieryらはPolicy Forumで、現在の世界の気候変動対策に関する誓約下では、世界の2020年生れの赤ちゃんは1960年生れの大人より2~7倍極端な気候イベント ―― 熱波、山火事、穀物の不作、干ばつ、洪水、熱帯性低気圧 ―― を経験することが予測されると報告している。この結果は、気候に関する世代間不公平性について科学的視点を提供するとともに、若年齢層が直面する不十分な気候対策に起因する課題を明確に示している。「私たちの研究結果は、若年齢層の安全に対する深刻な脅威を浮き彫りにし、彼らの未来を守るために大幅な排出量削減が必要であることを示している」と著者らは書いている。現在進行している気候変動の下、極端な気候イベントはさらに顕著になり、今後数十年間でその発生率は上昇することが予測される。そうした中、若年齢層はその生涯に高年齢層と比較してはるかに厳しいこれらの気候イベントを体験すると考えられる。差し迫ったこの現実に煽られ、世界では若者が気候保護活動や訴訟を先導するケースが急増している。しかしこれらの動きは、現在の気候変動評価では生涯で受ける気候変動の影響の世代間差異を定量化できないことから、総合的な科学的視点に欠けている。Thieryらは今回、人が生涯で経験する影響を予測するために考案した新しい世代間分析を提示た。その分析では、一連の極端な気候イベントの予測データ、世界人口データ、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)地球温暖化特別報告書の今後の地球気温曲線データを組み合わせる。若年齢層の負担は温暖化を1.5℃に抑えることで軽減されることをThieryらは発見したが、それでもなお若年齢層は、とりわけ若年齢層が急増している低所得国で、高年齢層が経験したものとは釣り合わない前代未聞で不可避な影響を受けると予想される。現在の気候曲線下だと影響ははるかに深刻である。


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