News Release

海底地震を既存の「隠れた」光ファイバケーブルで解明する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究によると、一時的に既存の海底光ファイバケーブルを約1万個の地震センサーとして使用したところ、カリフォルニア沖の海底で新たな断層系が見つかったという。この結果から、既に海底の広範囲に広がっている海底光ファイバ通信ケーブル網を利用すれば、海洋と地震の変化をかつてないほど詳細に監視および記録できる可能性が示された。地下深くでは、地殻変動の力がいくつも合わさって、地殻が裂けたり折り重なったりしている。こうして岩石が壊れて動く場所が断層である。地質の傷跡のように、地球の表面には断層の筋が何本も走っている。特に大規模で活発な断層(そこでは岩石が割れたり移動したりしている)は、壊滅的な地震や津波の原因となる。また、石油や天然ガスなどの鉱床が断層に沿って見つかることも多い。しかし、地球の断層帯の地図を作るのは難しく、不明な点も多い。それが海底にある場合はなおさらである。その結果、沖合地震の危険性は十分に解明されておらず、海底資源の情報も不十分である。分散型音響センシング(DAS)(レーザー光のパルスを使って光ファイバ沿いのかすかな動きを継続的に検出する、光ファイバセンシングの一種)は、地震波の測定や陸上の断層地図を作るのに利用されてきた。以前から、これが海底の地震活動の測定にも利用できるのではないかと示唆されていた。メンテナンスの期間中に、Nathanial Lindseyらは海底光ファイバケーブル(米国の海底観測網「Monterey Accelerated Research System」の一部)を、本来とは別の目的で一時的に使用した。カリフォルニア沿岸の大陸棚全域で、DASの測定結果を集めるのに使用したのである。Lindseyらによると、DASによって、10年前に設置されたケーブルが何千個もの高感度地震センサーに匹敵するものに変わったという。短期間のうちに、著者らは未知の断層系の地図を作成し、断層上の海において活発な潮位の変化や嵐による変化を観察することに成功した。関連するPerspectiveではPhilippe Joussetがこの研究について論じている。

###


Disclaimer: AAAS and EurekAlert! are not responsible for the accuracy of news releases posted to EurekAlert! by contributing institutions or for the use of any information through the EurekAlert system.