News Release

最も一般的なタイプのALSに関する新規マーカー

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

A New Marker for the Most Common Form of ALS

image: Motor neurons from mice that received an experimental ALS treatment (top) displayed lower levels of a newly identified biomarker (brown areas) than observed in untreated animals (bottom). view more 

Credit: T.F. Gendron <i>et al., Science Translational Medicine</i> (2017)

新たな研究報告により、血液および脳脊髄液中のある分子が、最も一般的なタイプの筋萎縮性側索硬化症(ALS)の指標として役立つものであり、臨床試験において疾患転帰を評価するために非常に必要とされているツールを提供することが明らかにされた。現在、ALS(別名ルー・ゲーリッグ病)には効果的な治療法が存在しない。ALSは、筋力低下と筋肉麻痺から完全な麻痺へと急速に進行する神経変性疾患で、およそ半数の症例で最初の診断から30ヵ月以内に死亡に至る。1995年以来30件を超える臨床試験が行われてきたにもかかわらず、ALS治療薬として上市に至ったのは1つだけであり、この化合物リルゾール(Riluzole)は生存期間を2~3ヵ月延長させるにすぎない。今回Tania Gendronらは、最も一般的なタイプのALS(C9ORF72変異型として知られる)と関連する遺伝子変異により、患者の脳脊髄液(CSF)および血球中へのpolyGPと呼ばれる異常な蛋白質の蓄積も引き起こされることを示した。研究者らは、C9ORF72変異型のALSを有する134例のCSF中にpolyGPを検出した。これらの患者には、ALS患者83例、ALS以外の疾患を有する患者24例、および無症状のキャリア27例が含まれた。興味深いことに、C9ORF72変異を有さない患者120例では、異なるタイプのALSを有する57例も含め、CSF中にpolyGPは検出されなかった。さらに、研究者らがC9ORF72変異型ALSのマウスモデルに対してC9ORF72変異を標的とする治療薬を投与したところ、マウスのCSF中でpolyGP濃度の低下が認められた。著者らによれば、さらに開発を進めることで、特に上記の変異を有するがまだ症状の出ていない患者について、polyGPは臨床試験における薬物への反応の有用な薬力学マーカーであることが示される可能性がある。

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