News Release

支持構造の断片が喘息の気道異常を引き起こす

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Fragments of a Support Structure Drive Airway Abnormalities in Asthma

image: Mice missing the gene for LTA4 showed heightened airway resistance and remodeling (top right) compared to controls. This effect was mitigated by neutralizing PGP with a compound named RTR (bottom right). This material relates to a paper that appeared in the Aug. 22, 2018, issue of <i>Science Translational Medicine</i>, published by AAAS. The paper, by D.F Patel at Imperial College London in London, UK; and colleagues was titled, "An extracellular matrix fragment drives epithelial remodeling and airway hyperresponsiveness." view more 

Credit: D.F. Patel <i>et al., Science Translational Medicine</i> (2018)

Dhiren Patelらは、細胞の支持構造の残存断片が、喘息のマウスモデルの気道の炎症および有害な変化を促進しうることを明らかにした。これらの残遺物は喘息患者の検体にも検出された。このことは、この残遺物が、気道リモデリングのメディエーターとして重要な役割を果たしており、喘息やCOPDなどの慢性肺疾患の新しい治療を探索している研究者にとって有益な治療標的となり得ることを示唆している。このような研究者が関心を持っている分野の1つは、細胞外マトリックス(ECM:周囲の細胞を支える、組織の非細胞部分)が分解するときに、マトリカインと名付けられた小さな断片を放出するという事実である。喘息治療の標的候補として研究されている酵素LTA4Hは、PGPなどのマトリカインを分解することにより、炎症反応の促進因子および抑制因子の両方として作用する。慢性肺疾患ではこの分解経路が損なわれていることから、Patelらは、喘息の発現におけるLTA4Hおよび ECMの役割の検討を試みた。Patelらは、アレルギー性喘息のマウスモデルを用いて、LTA4Hが欠損したげっ歯類は、炎症は少ないが、PGPの蓄積により気道感受性が顕著に上昇していることを明らかにした。また、AcPGPと呼ばれるPGPの構造的類似物を培養したヒトの気管支の細胞に与えたところ、粘液の産生が促進され、気道リモデリングが誘発された。Patelらは、中等症または重症の喘息の2群の患者(計50名)の喀痰検体を検討し、対照者と比較して AcPGP濃度が高いことを明らかにした。Patelらは、PGPの蓄積によって、LTA4H阻害薬が臨床試験で失敗することが多い理由を説明できると述べ、この経路の一面に標的を絞った方法が、より有益である可能性があると結論付けている。

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