News Release

絶滅危惧種の分布情報を公開する危険性

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

絶滅危惧種の保護という背景において、科学研究で得られたデータの入手がより一層簡単になることは多くの便宜をもたらす‐そしてそれは広く利用されるべきプロセスである‐とはいうものの、現実にはそれが問題になる可能性もあると今回のPerspectiveでDavid LindenmayerとBen Scheeleは書いている。彼らは、いわゆる「デュアルユース」問題を経験している他の分野においてと同じく、保護支援を目的に研究者らが希少種について公表することが結局は密猟といった生物の多様性を脅かす不法行為を意図せず煽ることになってしまうケースがいかに増えているかを強調している。種のさらなる減少の一因に知らず知らずのうちになってしまうのを避けるには、生物学者らは400年以上も続いてきた公開という文化をすぐにも一部「脱する」必要があるとLindenmayerとScheeleは述べている。例えば、珍しい絶滅危惧種の分布位置データを公開する便宜を再検討するなどである。このような情報制限には犠牲が伴うことをLindenmayerらは承知している。しかし、これらの犠牲は自由に情報を入手できることによって悪影響が拡大するという点を踏まえて慎重に検討しなければならないと彼らは述べている。そのようなトレードオフが、同様にデュアルユースが問題になっている他の科学分野でどのように評価されているかをLindenmayerらは説明している。古生物学や考古学といった分野では長い間、例えば遺跡の位置情報の公開について制限を設けたり、化石や人工遺物の収集や取引を政府が制限したりしてきた。LindenmayerとScheeleはまた、より良い絶滅危惧種の保護を実現する新しい公開戦略についても簡単に概要を述べている。生息場所を極めて広範囲に知らせるための空間データをバッファー保留するなどである。

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