News Release

マラリア原虫はいかにして薬剤による攻撃をかわしているのか

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究チームによって、マラリアを引き起こす寄生虫「熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)」が治療に耐性をもつようになる変異が多数確認された。この研究結果は、致死的なこの寄生虫の薬剤耐性株を標的にするという新たな方法を示唆している。全世界で毎年何十万もの人々がマラリアで死亡しているうえに、東南アジアで最近この寄生虫の薬剤耐性株が進化したことで、新しい治療法の必要性がいま高まっている。この寄生虫がさまざまな薬剤に対して耐性をつける仕組みを理解すべく、Annie Cowellらは、37種類の化合物に耐性をもつ262匹の熱帯熱マラリア原虫について、ゲノム分析を行った。薬剤耐性と関連のある83個の重要な遺伝子において、研究者らは数百か所の変化を確認した。その箇所では、遺伝子コードが繰り返されているか、タンパク質を変質させるような変異を起こしているかのどちらかであった。次に研究チームは、よく研究された熱帯熱マラリア原虫の株を手に入れ、それを化合物に長時間曝露させて耐性を誘発し、耐性が生じるときに起こる遺伝子変化を観察した。注目すべきことに、各化合物に関して、有望な標的または耐性遺伝子を確認することに成功した。特に、Cowellらはさまざまな薬剤に曝露させるたびに繰り返し起きる変異を確認した。つまり、こうした重要な変異は、この寄生虫が数多い既存の治療法に対して耐性をつけるのを助長していると思われる。関連するPerspectiveでは、Jane Carltonが本研究のさらなる背景を述べている。

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