News Release

他人に対する責任を負うかどうかが指導者と追随者を分ける

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究によると、他人のために進んで責任を負う意志は、指導する立場を選ぶ全ての人に共通する重要な特徴であるという。この研究から、指導力の行動的・神経生物学的基礎と、指導者になる傾向に個人差がある理由に関して、新しい見識が得られた。指揮する対象が軍隊でも国家でも教室でも、指導力は社会のあらゆるレベルで極めて重要であるが、人が指導するか追随するかを選ぶ際の動機はよくわかっていない。多くの場合、指導者には難しい決断を下すことが求められるうえに、その行動が他人の幸せに影響を及ぼすであろうことを知ったうえで決断することが求められるが、全員がこの責任を負うわけではない。実際は、Micah Edelsonらによると、たいていの人が積極的に避けるという。Edelsonらは一連の試験を通じて、被験者自らの報酬と他人の報酬が懸かっている場合において、被験者がグループのために進んで決断する意志を評価した。また著者らは、意志決定計算モデルを使って、指導するか追随するかを選ぶ際の根底にある動機を特定するとともに、脳画像を使って、指導する立場を選ぶ神経生物学的基準を調べた。Edelsonらは、ほとんどの人が他人の幸せに影響を及ぼすような決断を下すのを嫌がること(著者らはこれを「責任嫌悪」と名づけた)と、自らの個人的好みや判断に反して決断を下していたことを見出した。他人に対する責任を避けなかった人々は、アンケートに基づく指導力のスコアが高く、現実の指導力の尺度(軍階級が高いなど)を反映した結果となった。画像化で得られた予備データによって、進んで指導者になる意志の個人差を予測する際に、内部の相互作用が役立つことが示唆された。Edelsonらの研究は、責任嫌悪こそが進んで指導者になる意志の最良予測因子であると見なすとともに、指導力の性質をより深く理解するための認知的・神経生物学的な枠組みを提供している。関連するPerspectiveでは、Stephen FlemmingとDan Bangが「意志決定神経科学のツールを利用することで、指導者の決断だけでなく良い指導力の要素もリバースエンジニアリングが可能になるかもしれない」と述べている。

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