News Release

みんなくたくた ―― これがノロウイルスのやり方だ

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究者は、世界のウイルス性胃腸炎の主因であるノロウイルスによる感染が起きやすい腸の細胞の特定を長い間追い求めてきた。そして今回、ある研究チームが、餌食となる細胞のタイプを正確に突き止めた。この知見は最終的に、年間7億人に感染し、下痢や嘔吐、腹痛などの症状を引き起こし、死に至らしめることもあるこの厄介なウイルスの治療法につながると考えられる。以前の研究で、Craig B. Wilenらは、ノロウイルスが細胞に感染するために受容体CD300lfを利用していることを発見した。しかし、この受容体はほぼ血液幹細胞で発現され、ノロウイルスがとりつく、腸を裏打ちする細胞では発現されていないと考えられている。今回、研究チームはマウスの回腸と結腸全体のCD300lf発現細胞を蛍光標識し、マウスとヒトに存在する、刷子細胞と呼ばれる少数のまれなタイプの化学感受性上皮細胞にたどり着いた。Wilenらは数百万の細胞を解析し、ノロウイルスは刷子細胞に感染するが、腸の通常の上皮細胞には感染しないことを明らかにした。刷子細胞の複製は、2つの免疫シグナル伝達タンパク質、IL-4およびIL-25の存在によって促進されることが知られているため、Wilenらはこれらのタンパク質がノロウイルスの感染を促進するかどうかをマウスで評価した。事実、IL-4とIL-25を両方投与すると、ウイルスに感染したマウスの割合と糞便中のウイルス粒子の量が有意に増加したことが明らかになった。

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