News Release

セリアック病にウイルスが関わる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

無症状の感染がセリアック病の発症促進に関与していることが、新たなマウスの研究により明らかにされた。この研究は、これまでに研究されてこなかったウイルス感染と食事性抗原に対する経口免疫寛容との関係に焦点をあて、食事と共に摂取される無害な抗原に対する望ましくない反応を防ぐために必要なこの免疫寛容が、ウイルスによっていかに破綻させられるかを示している。セリアック病は、グルテンの摂取により小腸の障害に至る自己免疫疾患で、主として遺伝性疾患であると考えられていた。疫学的エビデンスから、セリアック病の発症とウイルス感染との関連が示されていたが、実験的エビデンスが欠けていた。この関係についてさらなる洞察を得るため、Romain Bouziatらはヒトに感染するレオウイルスの2つの株である1型Lang株(T1L)および3型Dearing株(T3D)の作用について研究した。この2つのウイルス株は病理発生が異なっており、T1Lは小腸に感染して正常な免疫機能をかく乱するのに対して、T3Dは通常は小腸には感染しない。研究者らはマウスの小腸に感染できるT3D株を作製し、その作用をT1Lと比較した。その結果、両方のウイルス株が防御免疫反応を引き起こしたが、T1Lの方がグルテンやオボアルブミンなどの食事性抗原の存在下で感染した場合に病的な反応が強いことが分かった。さらなる研究の結果、T1Lへの曝露により、抗原提示を行う樹状細胞が代わって病的なT細胞反応を誘導することが明らかになった。研究チームは、セリアック病の小児患者の粘膜で同時に発現亢進が認められていたインターフェロン調節因子1(IRF1)に依存してこの反応が起きることを見いだした。これらの結果について、Elena F. VerduとAlberto CaminerがPerspectiveで取り上げている。

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