News Release

追い越し車線を進むにはマイカー相乗りが欠かせない

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

ジャカルタの渋滞緩和を目指す政策が突然中止されたことで、研究者らは、マイカー相乗りが巨大都市内の交通の流れに与える影響について貴重な見識を得た。指定された主要道路においてラッシュ時に自動車1台に3人以上の乗車を求める政策が終了した結果、朝のラッシュ時には移動時間が46%増加し、夕方のラッシュ時には87%増加した。世界中で、各都市が住民の交通ニーズに応えようと苦心している。ニューヨークのような米国の大都市圏では、通勤に1日あたり平均1時間以上かかり、またサンパウロやリオデジャネイロでの移動時間はさらに長く、平均で1日あたり1.5時間である。移動時間を短縮すべく、一部の都市では(賛否両論があるが)「多人数乗車車両(high-occupancy vehicle:HOV)」レーンを設置して、特に渋滞ピーク時に、最低人数以上の乗車を求める政策を実施している。おそらく世界で最も極端なHOV規制の例は、3,000万人以上の人口を抱えるインドネシアの都市ジャカルタの「スリー・イン・ワン(three-in-one)」政策だろう。しかし2016年3月、この都市は7日以内にHOV政策を中止する予定であると発表した。これを受けてRema Hannaらはグーグルマップに対してクエリを実行し、主要なHOV道路ならびにそのHOV道路と平行に走る2本の別の道路について、交通データを収集した。彼らはHOV政策が数日後に解除されても、交通データの収集・分析を続けた。注目すべきことに、HOV政策を解除した結果、それまでHOVに指定されていた道路で移動時間が劇的に増加しただけでなく、平行した道路でも同様に増加した。移動時間の増加はラッシュ時以外でも見られた。これらの研究結果から、HOV政策が道路を走行する自動車数全体の削減に効果があるらしいことが示唆されたと、著者らは述べている。

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