image: Zika infection during pregnancy can lead to birth defects such as microcephaly, and a new study shows it can cause other complications in infant mice such as seizures and motor deficits that persist into adulthood. This material relates to a paper that appeared in the 6 June, issue of <i>Science Translational Medicine</i>, published by AAAS. The paper, by I. Nem de Oliveira Souza at Federal University of Rio de Janeiro in Rio de Janeiro, Brazil; and colleagues was titled, "Acute and chronic neurological consequences of early-life Zika virus infection in mice." view more
Credit: Image by Fernanda Barros-Aragão, based on Nem de Oliveira Souza<i> et al., Sci Transl Med</i>, 2018
マウス乳仔におけるジカウイルス感染は、成獣においても持続する発作や脳構造および行動の長期障害をもたらすことが、研究者らにより示された。この恐ろしい結果は、出生後のジカウイルス感染により乳児の脳の発達に大きな障害をもたらし得るという考え方を裏付けているが、あるシグナル伝達蛋白質の阻害により一部の脳障害の重症度を軽減できる可能性を示している。これまでの研究により、妊婦のジカウイルス感染は発達中の胎児の神経系に重篤な障害を引き起こし、眼障害や小頭症(異常に小さい頭部を特徴とする病態)などの先天異常をもたらすことが確立されている。新生児におけるジカウイルス感染は、てんかん(それほどすぐには発症しない)など他の多くの病態につながると考えられるが、こうした異常に関して動物における直接的なエビデンスはなかった。さらなる洞察を求めてIsis Nem de Oliveira Souzaらは、マウス新生仔においてジカウイルス感染による短期および長期の神経学的影響について検討した。3日齢の乳仔マウスにジカウイルスを感染させ、その行動的および神経学的発達について成獣に達するまで観察した。その結果、感染マウスのほとんどが生後9日には早くも自発性発作を発症し、成獣になっても対照と比較して依然として化学誘導性発作を起こしやすいことが分かった。さらに感染マウスでは、乳仔期の行動検査において運動機能および筋力の低下が認められ、成獣では短期記憶の障害がみられた。これらの行動障害に伴って、脳内での持続的なウイルス複製と炎症も認められた。しかし、炎症促進性分子であるTNF-αを阻害する薬物を投与したところ、若齢マウスで発作が阻止されたことから、脳内の炎症を標的とすることで、新生仔期におけるジカウイルス感染の長期影響をある程度改善し得ることが示唆される。
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Journal
Science Translational Medicine