News Release

ニュー・ホライズンズ探査機のデータから明らかにされた冥王星のメタンでできた砂丘

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

砂丘は地球、火星、金星、土星の衛星タイタンおよびチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)の表面で形成されていることが知られているが、新たな研究によって準惑星である冥王星の表面で形成されていることが明らかになった。しかしながら、地球の表面で見られる砂でできた砂丘と異なり、冥王星の砂丘は恐らく代わりに固体メタンの小さな粒でできている。ニュー・ホライズンズ探査機が2015年7月14日、冥王星に接近飛行した時、今までで最も詳細な画像が入手された。Matt Telferらがこの画像データを分析している際、357本の淡い色をした尾根の集まりならびに6本のより暗い色をした風によって作られた筋を発見しており、これらは冥王星の最も大きな規模の特徴の1つである、スプートニク平原と呼ばれる広大な平原に存在していた。この平原の西側の区画に沿って、これらの尾根が山脈と並行に走っているが、方向が変わりさらに東側に向かって広がっており、風によって作られた筋でも見られるパターンである。いくつかの手掛かりから、これらの尾根の位置およびその分布パターンなどの地形が風によって形成されたことが今回の論文の著者らにより示されており、砂丘であることが示唆される。著者らによるモデル化から、小さな粒が空中に浮遊すれば、風によってこれらの砂丘が形成されることが示されるが、先ずは、これらの小さな粒が表面から持ち上げられるために、昇華と呼ばれるプロセスが必要とされる。このプロセスでは太陽によって表面の氷が十分に温められて、ガスが大気中に放出され、その結果、粒子が大気中に巻き上げられる。最後に、窒素の氷である可能性を排除することができないが、近辺の山から吹きだされたメタンの氷が恐らく冥王星の砂丘の小さな粒の発生源であると著者らは指摘している。関連するPerspectiveでは、冥王星の砂丘と他の太陽系天体で見られるものとの対比についてAlexander Hayesが考察している。

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Note: This paper will be available for free when the embargo lifts at http://www.sciencemag.org.


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