News Release

ハプロタイプ分離ヒトゲノムにより多様な構造多型が明らかに

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

さまざまなヒト集団に対応するヒトゲノムにより、新しいこれまで認識されていなかった多種多様な構造多型が明らかになったことが報告された。この知見から、ヒトゲノムの構造、多様性、および変異に関する基礎的な見識が得られ、われわれの種の多様性をより正確に示す基準ゲノムを作成する枠組みが提供される。多くのヒトゲノムはショートリードシーケンシング法を用いてアセンブルし報告されてきた。しかし、この方法は、長いDNAをシーケンシングする能力が限られていた。このため、これらのデータを用いて非常に複雑で反復的なヒトゲノムの構造多型を明らかにし、個人間や集団間で比較を行うことは困難であった。しかし、最近のロングリードシーケンシング法の進歩により、構造多型(SV)、すなわち50塩基対(bp)を超える長さの遺伝子逆位、重複、および挿入を明らかにする感度が大きく高まった。過去の大規模なSV検出の試みは、新しいSVの検出に関してはほとんどが推論に基づいており偏りがあったが、Peter Ebertらは、さまざまなハプロタイプ分離ヒトゲノムを比較することで多種多様な遺伝的多様性を直接明らかにする新しい方法を紹介している。Ebertらは、ロングリードおよびストランド特異的シーケンシング法を併用して、32人の64個のハプロタイプ分離ヒトゲノムをアセンブルし、約108,000個のSV(このうち68%はこれまでショートリードシーケンシングでは発見されていなかった)および278個のSVホットスポットを特定した。Ebertらによれば、この新しいリソースにより、SVの遺伝子型決定をはるかに正確に行え、ヒト集団間での遺伝子機能に影響を与えうるSV遺伝的多様性に関する新しい見識が得られる。

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