News Release

深海における火山活動の真相を探る

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Getting to the Bottom of Deep Sea Volcanic Activity

image: Jet back, glass-covered pillow flows that erupted in 2015 rest on top of older, lightly sedimented lavas in the Northern Rift Zone of Axial Seamount. Water depth is 1816 m. This material relates to a paper that appeared in the Dec. 16, 2016, issue of Science, published by AAAS. The paper, by W.S.D. Wilcock at University of Washington in Seattle, Wash., and colleagues was titled, "Seismic constraints on caldera dynamics from the 2015 Axial Seamount eruption." view more 

Credit: University of Washington/OOI-NSF/CSSF-ROPOS

2つの新しい研究のデータから、2015年に米国西海岸沖で噴火した海底火山について段階的な説明が得られた。研究の結果、海底の変形パターンや潮汐活動などを利用すれば、今後の噴火を予測できることが明らかになった。地球上の火山の80%以上が水面下にあるにもかかわらず、持続的な長期観測や噴火後の機器の回収が難しいせいで、謎に満ちたマグマ噴出口の活動状態はまだほとんど調査されていない。オレゴン州沖にあるアキシャル海山が1998年と2011年に噴火したのを受けて、2014年にはこの領域に先制的にケーブル網が敷かれ、活動の観測が始まった。1つ目の研究では、地震活動を分析したWilliam Wilcockらが、ケーブル網は運用1年目に20万回近い局部地震を検出したと述べている。小地震の頻度は、1日当たり500回未満だったのが1日当たり約2000回に増加し、2015年4月24日の噴火につながった。これらの地震が発生するタイミングは潮の干満と一致しており、地震発生率は干潮時のほうが満潮時よりも約6倍多く、海洋にかかる荷重が減少する際に断層の「締め金が外れる」ことが原因だと考えられる。噴火前に強い潮の影響があることは、潮のモニタリングを有効活用する際に海底火山の圧力状態を決定するのに役立つと研究者らは示唆する。

2つ目の研究では、Scott NoonerとWilliam Chadwick Jr.が、噴火につながる変形パターンに基づいて2015年の噴火を予測した経緯を述べている。分析の際には、海洋観測イニシアチブ(Ocean Observatories Initiative、OOI)のケーブルアレイに追加された傾斜・圧力の測定機器を使用した。この機器は前回の2011年の噴火でも同様のデータを収集している。前回の噴火に先駆けて、直下にあるマグマ溜りが著しく膨張し、続いて噴火が起こった。膨張率が今後数年にわたり同じままであれば、2018年に次の噴火が起こるだろうと、著者らは予測していた。しかし、マグマ溜まりの膨張率が2011年の噴火後に著しく高くなった。それゆえに著者らは、2014年初秋に噴火予測を調整し、次の噴火は2015年中に起こると予測した。2015年4月にアキシャル海山が噴火し、予測が当たったことから、アキシャル海山の下にあるマグマ溜りを監視すれば、今後の噴火時期の予測に役立つことが示唆された。

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