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ヒトが数千年間をかけて哺乳類の体を世界的に縮小させた

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

ヒトがアフリカを出て拡散したと同時に、哺乳類の体が世界で大幅に縮小したことが新しい研究によって明らかになった。この「縮小化」傾向は続き、わずか2~300年中には生き残る最も大きい陸生哺乳類はヒトが飼う体重900キロの牛になる可能性があることも示された。Felisa A. Smithらは、哺乳類の大きさが長い期間をかけてどのように変化したかを解明しようとした。6,600万年前から現在までに生存していた陸生哺乳類の世界分布と体の大きさを記録した2つのデータセットを更新し、作成した。その結果、ヒトが世界中に広まった時期に哺乳類の絶滅に大きな偏りを発見した。絶滅した種の哺乳類は生き残った哺乳類よりも2~3倍大きい傾向があり、それは世界的に顕著な傾向であった。注目すべきことに、125,000年前のヒトの出アフリカ以前にアフリカは小さめな哺乳類(平均体重がユーラシア大陸で発見された哺乳類の約半分)の故郷であった。これはヒト族と哺乳類の間にすでに相互作用があったことを表しているとSmithらは述べている。最も特筆すべきはおそらく、後期更新世のアメリカ大陸での哺乳類の体の縮小であろう。それはヒトが長距離用武器を使うようになった時期と同じである。Smithらはこの時期のヒトの平均および最大体重はともに10分の1以下になったと報告している。たとえば、北アメリカの陸生哺乳類の平均体重は98.0キロから7.6キロに減少している。Smithらによると、昨今のこの傾向が続くならば、北アメリカの哺乳類の平均体重は7.7キロから4.9キロに落ちるという。哺乳類は生態系の形成に重要な役割を果たしていることから、縮小化傾向は連鎖的にその他の生物に影響を及ぼすと考えられる。

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