News Release

連続・高速・大規模な光造形法3DプリントにおいてCLIPを凌ぐHARP

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究者らは高速・大規模な光造形法3Dプリント(SLA)に対する新たなアプローチを開発しており、このアプローチによって430mm/hrを超える速度で光硬化性樹脂の槽から連続的に対象を3Dプリントすることが可能になっている。新たな報告によると、今回の方法では硬化樹脂から出る発熱によってもたらされる難題を克服する能力が実証されており、従来の連続SLA 3Dプリントの繰り返し能力はこのような発熱によって制約を受けていた。光造形法3Dプリントは商業3Dプリントにおいて広範に使用されている方法であり、光造形法ではUV光を使用して、光反応性樹脂を硬化させ複雑な3D形状を造形する。CLIPと呼ばれるSLAの一種では、酸素透過性の「不感層」を導入することによって、対象の3Dプリントを樹脂から作成する際、対象の3Dプリントを連続的に光重合することが可能であり、この不感層では樹脂が硬化されないため、作成されつつある3Dプリント部分と光硬化性樹脂の槽の底にあるUV界面の間で付着することが防止される。この連続的なアプローチによって従来のSLAよりも最大100倍速くて、積層法3Dプリントによくある材料欠陥のない高速3Dプリントが可能になる。しかしながら、樹脂が高速で重合することによって大量の熱が発生し、適切に冷却しなければ、温度が樹脂の煙点をすぐに超えてしまう。CLIPでは断熱材となる酸素がバリアとして使用されているため、急速放熱オプションが大いに制限されてしまう。今回の論文では、David WalkerらがHARPという「不感層」を用いないアプローチを紹介しており、このアプローチでは樹脂とUV界面の間の液体界面としてフッ素オイルの流れる層を使用している。Walkerらによると、この流れるフッ素オイルを熱交換器として使用して、余分な熱を除去し、適切な使用温度を維持し、樹脂に付着する可能性がある微粒子を濾過して取り除くことができる。さらに、通常では酸素に反応する樹脂など、広範囲にわたる樹脂にこの方法を適用することができる。今回の論文の著者らは、硬質のプラスチック、セラミックスおよびエラストマーで対象を3Dプリントすることによって、HARPの能力を実証している。

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