News Release

網膜インプラントが黄斑変性による失明を止める

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

生物工学によって作製された網膜インプラントは、ヒトで安全に使用でき、黄斑変性の一亜型による失明の治療に有効となる可能性がある。黄斑変性は失明をもたらす進行性の疾患で、その進行した段階に対しては現在治療選択肢がない。この第1/2相臨床試験の結果(2つの相の解析を含む)は、進行した血管新生を伴わない加齢黄斑変性(NNAMD、別名萎縮型AMD/乾性AMD)に対する新たな治療候補への道を拓くものである。NNAMDは、眼の網膜視細胞を栄養・保護する膜である網膜色素上皮(RPE)の喪失と関連する。今回Amir Kashaniらは、以前に著者ら自身が開発してげっ歯類で検証を行った、生物工学によって作製された網膜インプラントの安全性と有効性を検討した。このインプラントは、ヒト胚性幹細胞から成っており、この細胞を物質上に定着させてRPEを模倣した膜を形成させたものである。著者らは、4例の進行NNAMD患者の眼内にこのインプラントを挿入し、4ヵ月から1年にわたり患者らの視力をモニタリングした。同インプラントは4例全ての患者で忍容性が良好であり、患者の視力は研究期間中を通して維持された(1例では、視力に明らかな改善さえ認められた)。さらに、術後の画像検査では、インプラント内の幹細胞が患者の網膜組織と統合されていることが示され、RPEの再生を示す解剖学的変化が認められた。次のステップとして著者らは、ヒトのNNAMDを治療する上での同インプラントの有効性をさらに評価するための、より大規模な前向き研究の実施を計画している。

###


Disclaimer: AAAS and EurekAlert! are not responsible for the accuracy of news releases posted to EurekAlert! by contributing institutions or for the use of any information through the EurekAlert system.