ガラパゴスフィンチはくちばしを使って種子を砕いたり、歌を歌ったりする。したがって、干ばつ下で採れる新たな食べ物に対応するようにくちばしが変わると、その震え声の歌はどうなるのか。Jeffrey PodosとKatie Schroederは、この先、干ばつイベントが6度重なることでフィンチのくちばしの形状が変わると思われ、歌もそれまでと同じではなくなる可能性があることを発見した。予想されるオスの交尾の歌の変化は生態的種分化への道を開くほど大きいと考えられると、彼らは述べている。この考えを彼らは、ダーウィンの中型地上性フィンチ(Geospiza fortis)のオスの交尾の歌をこの先の1回、3回、6回の度重なる干ばつイベント下でくちばしが大きくなった時に発せられる歌声にデジタル的に変更して、検証した。次に彼らは「将来のフィンチのゴーストソング」について、そのゴーストソングを現在のオスのフィンチに向かって、その歌い手であるフィンチが現在のオスの縄張りに侵入しているように再生して、実験を行った。現在のオスは、この先の6回の度重なる干ばつイベントの後に発せられた歌は認知した様子がなく、見えないこれらの歌い手に、もはや交尾ライバルではないかのように応対した。今回の研究によって、「生殖的隔離障壁の強化にはどの程度の生態学的変化、および、くちばしと歌の調和の取れた進化が必要か」について理解が深まったと、研究者らは書いている。
Journal
Science
Article Title
Ecological speciation in Darwin’s finches: Ghosts of finches future
Article Publication Date
11-Oct-2024