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サル痘ウイルスDNAが合成されるしくみ

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究者らは低温顕微鏡法を用いて、サル痘ウイルスのDNAポリメラーゼホロ酵素という、同ウイルスのゲノム複製に重要な役割を果たす複合体の構造を高解像度で示した。この結果から、サル痘ウイルスのゲノム複製の基礎にある機序が明らかになり、抗ウイルス薬開発の指針として利用できる可能性がある。2022年7月に、世界保健機関(WHO)はサル痘ウイルス(MPXV)が、国際的に重要な公衆衛生上の緊急事態であると宣言しており、2022年12月の時点で世界の110ヵ国において82,000例以上のサル痘患者が確認されている。このウイルスに対する、新たな予防策および治療法が必要とされている。本研究において、Qi Pengらは低温顕微鏡法を用いて、サル痘ウイルスのDNAポリメラーゼホロ酵素の高解像度の構造を明らかにした。その結果によれば、このホロ酵素はDNA複製のための「フォワード・スライディングクランプ」のしくみを示唆する構造を有している。著者らは、この結果は抗サル痘ウイルス薬のデザインに利用できる可能性があると示唆している。


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