コペンハーゲン、2022年8月31日
海岸の気候変動適応を地方、地域、国レベルで改善し、世界規模で協調的行動を強化するための世界の海岸線の新しい分類が発表されました。この分類は、世界共通の海岸管理の枠組みであるCoastal Hazard Wheel(海岸ハザードホイール)に基づくもので、コペンハーゲン大学、国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、ノボノルディスク財団の支援により、Deltares(デルタレス)、国連環境計画DHIセンター(UNEP-DHIセンター)およびUNEPコペンハーゲン気候センターの関与を受けてCoastal Hazard Wheel Initiative(海岸ハザードホイールイニシアティブ)が開発しました。
この新しい世界分類は、公的機関や計画者、研究者により、特定の海岸位置の分類、関連する適応措置の特定、および地方レベルから世界レベルまでの生態系の破壊、徐々に進行する浸水、塩水侵入、浸食、洪水を含む全領域の海岸危険のマッピングに用いることができます。
この分類はリモートセンシングやその場観察、モデリングから得た世界の最新地理データを用いています。これにより、約200メートルまでの海岸について、海岸線の分類、危険情報および適応指針を提供します。この世界の海岸線分類と適応指針は、通常のウェブブラウザを用いてwww.coastalhazardwheel.orgからアクセス可能なCoastal Hazard Wheel Appというウェブアプリケーションとして無料で利用することができます。
「現在、世界で20億人近くの人々が沿岸部に居住しており、タイムリーで適切な適応対策が必要です」とCoastal Hazard Wheelイニシアチブを率いる Lars Rosendahl Appelquist博士は述べています。「この新しい世界的海岸分類と適応指針は、公的機関や計画者による関連管理措置の特定を助け、海岸に関する統合的管理と世界規模のコミュニケーションを促進します。」
沿岸域での適切な回復力を構築し災害の危険性を減少させることは大きな世界的課題ですが、小島嶼開発途上国 (SIDS)にとっては、特に差し迫った課題です。そこでFAOおよびCoastal Hazard Wheelイニシアティブは、健全な海岸生態系と回復力あるコミュニティを通じた適応によりSIDSやその他の沿岸国を支援するため、共同で新しい世界海岸分類システムの試験と開発を進めています。
新しい世界海岸分類は、海岸の課題と気候変動の影響についての認識と理解を高め、広げることができます。またこの分類は、ボトルネックやニーズに対処するため、投資計画ばかりではなく、地方レベルからから世界レベルまでのマルチステークホルダー・プロセスを支援することができます。さらに、この分類と海岸の符号化システムは、地域・地方・国家当局、政策立案者、国際機関、研究者および関係者のコミュニケーション促進のための海岸に関する共通の言語として用いることができます。
編集者への注記
Coastal Hazard Wheelイニシアティブについて
Coastal Hazard Wheelイニシアチブは、より高い精度で詳細な世界の海岸線分類と自動化された気候変動適応指針への自由なアクセスを提供することを目的とする国際パートナーシップです。詳しくはwww.coastalhazardwheel.orgをご覧ください
Coastal Hazard Wheelについて
Coastal Hazard Wheel手法は、すべての主要な海岸課題に同時に対処するための世界共通の海岸分類と管理の枠組みです。海岸に関する完全な言語として利用でき、気候変動への適応を強化し、科学者、政策立案者、一般市民の間の隙間を埋めることを目的としています。
詳細についてはCoastal Hazard Wheelイニシアチブ(lra@coastalhazardwheel.org)にご連絡ください。