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日焼け止め剤のオキシベンゾンは光毒素に変化して脆弱なサンゴ礁を脅かす

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Djordje Vuckovicらが行った実験によると、日焼け止め剤によく使用されるオキシベンゾンという成分は、イソギンチャクやサンゴの細胞内で紫外線防止剤から強力な光毒素に変化するという。光毒素があることによってイソギンチャクは日光の下でダメージを受けやすくなることから、オキシベンゾン入りの日焼け止め剤が白化したサンゴ礁にとって有毒であることを説明できる可能性がある。海水浴客の多い場所では、サンゴ礁へのダメージを防ぐためにこの種の日焼け止め剤が禁止されているところもあるが、ダメージを与える厳密な仕組みはわかっていない。今回、Vuckovicらの新しい報告が、光毒素に変化するおそれの少ない日焼け止め剤の開発につながる可能性がある。イソギンチャク(Aiptasia)とマッシュルーム・コーラル(Discosoma sp.)を用いた今回の実験では、グルコースを加えると、動物の細胞内でオキシベンゾンが光毒素に変化することがわかった。イソギンチャクの場合、共生藻類がほとんどの光毒素を隔離してくれるが、(海水温上昇によるサンゴの「白化」と同様に)守ってくれる藻類がいなくなると、光毒素が蓄積してダメージを受ける。関連するScienceのpodcastではVuckovicが、「オキシベンゾン入りの日焼け止め剤が白化したイソギンチャクに有毒であるという実験結果は、こうした日焼け止め剤が白化したサンゴにも有毒であり……周りで人間が活動している海域において……温暖化の悪影響を増幅させうることを示唆しています」と述べている。関連するPerspectiveでは、Colleen Hanselがこの実験結果について論じている。


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