新たな研究によると、ハワイ、アイスランド又はガラパゴスのもののような火山島を生み出すホットスポットは驚くほど冷たく、地球深部のマントル中の活発な溶岩プルームに起因していない可能性がある。今回の発見によってホットスポット起源に関するプルーム古典理論に疑問が投げかけられている。地球表面では2種類の火山活動が観測されている。構造プレートが出合い、地球マントルの大規模循環によって駆動される場合に主要な種類が発生する。他の種類は孤立したプレート内「ホットスポット」火山として発生し、深部マントルから上昇する熱くて、活発な湧昇プルームによってエネルギーが供給されると考えられており、その過剰温度(Tex)は中央海嶺沿いに位置するものより約100~300℃高い。しかしながら、火山ホットスポットに関するTex推定値は地理的対象範囲が限定されており、個々のホットスポットについて整合しないことがしばしばある。海洋ホットスポットが実際に海嶺より熱いのか決定するために、Xiyuan Baoらは海洋海嶺及びホットスポットからの地震波速度測定値を温度に変換した。従前の仮定に反して、Baoらはホットスポットの中には驚くほど冷たいものがあることを発見した。今回の著者たちによると、プルームによってエネルギーが供給されるホットスポットの内の約45%が熱い(Texが155°以上である)一方、約40%は十分熱くなく深部マントルから活発に噴出しない。さらに、15%は冷たい(Texが36℃以下である)。Baoらは、代わりに、より冷たいホットスポットが上部マントルの深さにおいて発生するか、又は小規模対流運動状態が同伴し、これによって冷却された深部プルームによってエネルギーが供給されている可能性があると示唆している。
Journal
Science
Article Title
On the relative temperatures of earth's volcanic hotspots and mid-ocean ridges
Article Publication Date
7-Jan-2022