News Release

可視化された自身の脳活動を制御する能力の個人差を安静状態の脳情報から予測する手法を開発

The new machine-learning based model can forecast a person’s aptitude for neurofeedback training treatments with a high generalization ability

Peer-Reviewed Publication

Nara Institute of Science and Technology

image: The high generalization ability of the new neurofeedback (NF) aptitude prediction model developed by scientists from NAIST Japan offers a quick, simple and non-invasive method to screen candidates in clinical settings for whom fMRI-NF training would be most beneficial. view more 

Credit: Nara Institute of Science and Technology

ニューロフィードバックとは、ある人の脳活動を測定しながら当人にその脳活動の状態をリアルタイムで可視化することによって脳活動を特定の状態に導く、つまり「脳活動を制御する」技術です。薬物や刺激を用いず非侵襲的に脳の状態を変える可能性があることから、精神疾患の新しい治療法としても注目されています。たとえば、疾患によってある脳部位の活動が低下している場合、その脳部位の活動を高めるニューロフィードバック訓練を行うことで、症状を改善できると考えられています。われわれの研究グループでも、うつ病で低下した前頭葉の活動を高めるニューロフィードバック訓練がうつ病患者の症状を改善させる効果を報告しています。

しかし、ニューロフィードバック訓練は一種の学習訓練であることから、訓練に対する得手・不得手(訓練への適応性)に個人差があることが知られています。このニューロフィードバック訓練への適応性が治療効果を左右してしまう問題は、治療への実用化にむけた課題となっていました。本研究はこの問題を解決するために、簡便に測定できる安静時の脳fMRIデータから、その人がニューロフィードバック訓練にどの程度適しているかをAI(機械学習)技術を用いて予測する方法を開発しました。その結果、後部帯状回や後部島皮質を中心とした脳の機能的結合が、ニューロフィードバック訓練にうまく適応できるかどうかを予測することが分かりました。さらにニューロフィードバック訓練の標的脳部位に依らず予測することができました。この成果を応用することで、さまざまな特性をもつ患者群に対して負荷の少ない検査で適切なニューロフィードバック治療を提供する、テーラーメイド治療の実現につながると考えられます。

本研究は広島大学および量子科学技術研究開発機構で実施したニューロフィードバック研究のデータと奈良先端科学技術大学院大学および藤田医科大学の機械学習技術を組み合わせて実現しました。

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【掲載論文】

タイトル: Resting-state brain activity can predict target-independent aptitude in fMRI-neurofeedback training

著者: Takashi Nakano, Masahiro Takamura, Haruki Nishimura, Maro Machizawa, Naho Ichikawa, Atsuo Yoshino, Go Okada, Yasumasa Okamoto, Shigeto Yamawaki, Makiko Yamada, Tetsuya Suhara & Junichiro Yoshimoto

掲載誌: NeuroImage

【研究室ホームページ】

https://isw3.naist.jp/Contents/Research/ai-04-ja.html


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