News Release

水を求めて穴を掘るウマやロバが砂漠に生息する種のための水の利用可能性を向上する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

乾燥地という生態系では、ウマやロバが穴を掘って地下水を湧き出させることで、様々な動植物種と生態系プロセスにとっても水の利用可能性が向上する ―― その地域で得られるだけの水を提供する場合もある ―― と研究者らは報告している。見落とされていたこの生態系エンジニアリングの形態は、ウマ科の動物‐再導入された動物であれ野生動物であれ ―― が乾燥地における水の利用可能性を守り、継続的な乾燥状態下で回復力を強化させるサービスを砂漠に生息する様々な種に提供できることを示している。大型陸生草食動物はそれらの生息環境で重要な役割を果たしているが、更新世後期以降、大型動物相の個体数は世界的に激減し、それらが担っていた生態系機能の多くが失われることになった。現代の温帯と熱帯環境では、大型動物相の減少によって閉鎖林が形成され、野火が増加し、植物の種子飛散が減少した。しかし乾燥生態系に対するその影響はほとんど知られていない。最も少ない資源が水という乾燥地では、野生のロバ、ウマ、ゾウといった大型動物が定期的に地面を ―― 2メートルもの深さまで ―― 掘り、地下水を湧き出させる。Erick Lundgrenらは水を得るための穴掘りの影響をより広い地勢で評価すべく、北アメリカにあるソノラ砂漠の複数の場所で調査を行った。彼らはその地域のウマ科野生動物(ウマとロバ)による穴掘りを観察し、そういった動物らが作った水の湧き出る穴のおかげで多数の砂漠在来種にとっても水の利用可能性が向上し、乾燥期における貴重な水源間の距離が全体的に縮まったこと、また、その地域にある水だけを提供する場合もあったことを発見した。Lundgrenらによると、乾燥した辺りよりもウマ科動物が掘った水が湧き出る穴のそばの方が種は豊かで活動も活発、また、自然の洪水かく乱に似ていることから、放棄された水の穴は水辺の重要な樹種にとっての苗床になることもあったという。

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