News Release

アレルギーが原因のヘルパーT細胞を突き止めた

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Tracking Down Allergy-Causing T Helper Cells

video: Scientists finally tracked down the specific population of T cells that cause problems in allergies. T helper cells protect against pathogens, but a newly-identified subgroup dubbed TH2A are responsible for causing allergic symptoms, and can be distinguished from their protective counterparts by specific markers. view more 

Credit: [Credit: Carla Schaffer / E. Wambre <i>et al.</i> / AAAS]

科学者らは、アレルギーに中心的役割を果たす免疫細胞の特別なサブセットをついに突き止め、なぜ一部の人がアレルギーを発症するのかという疑問の背景にあった長年の謎を明らかにしただけでなく、新たな治療標的を同定した可能性がある。約5,000万人の米国人が鼻アレルギーに苦しんでおり、また生命に関わる食物アレルギーのために米国で年間200人もの人が亡くなっている。アレルギー反応は、花粉、かび、ピーナッツなど、通常は無害な物質に対する不適切な免疫応答により発生し、TH2細胞サブセット、すなわち2型「ヘルパー」T細胞として知られるグループの免疫細胞によって引き起こされる。これまで科学者らは、人体を病原体から守る上で重要な役割を果たす本来の「ヘルパー」細胞と、アレルギーを引き起こすTH2細胞サブセットを区別することができなかった。今回Erik Wambreらは、アレルギーにおいて問題となるTH2細胞を区別する6つの表面マーカーの特有のシグネチャーを同定した。アレルギーを誘導する細胞(TH2Aと呼ばれる)が、花粉、かび、ヒョウヒダニ、ピーナッツなど様々な物質にアレルギーを示す80人の人に存在したが、アレルギーのない34人には認められなかった。TH2A細胞は、多くの炎症性シグナル伝達分子を産生し、研究者らのさらなる観察により、アレルギー反応を引き起こす経路に関わるTH2A細胞における特有の遺伝子発現パターンが明らかにされた。実験的なピーナッツアレルギー治療の有効性を評価する臨床試験において、科学者らは、ナッツへの脱感作とTH2A細胞の発現頻度低下との間に直接の相関を認めた。著者らによれば、TH2A細胞を、非常に求められていたアレルギー治療の有効性評価を行うための臨床バイオマーカーとして用いることができると考えられる。David CousinsによるFocusでは、今回の結果が持ちうる重要性についてさらに取り上げている。

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