News Release

恐竜を死滅させたのは小惑星衝突、その後生物を形成したのが火山活動

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究者らは海洋掘削と地球気温の良好な状態の記録を分析し、白亜紀~古第三紀(K/Pg)境界大量絶滅の主原因は大規模な火山活動ではなく、小惑星衝突だったという見解を強く裏付けた。この新しい研究では、地球気温に対するデカン・トラップでの火山活動による温室効果ガス放出の影響を評価している。その結果によると、火山ガスは絶滅初期イベントを起こしたというよりはむしろ、絶滅後の様々な種の出現に重要な役割を果たしたと考えられる。6,600万年前、2度にわたる地球規模の壊滅的イベント ―― 小惑星衝突と大規模火山活動 ―― によって地表は荒廃し、そこを歩き回っていた陸生生物の大半も死に絶え、長きにわたった恐竜の君臨に終止符が打たれた。K/Pg境界大量絶滅期に発生したデカン・トラップからの大量の溶岩と小惑星衝突の相対的影響を解析するのは困難で、K/Pg境界大量絶滅の原因は依然としてはっきりしていない。主に溶岩の堆積に注目したデカン・トラップ火山活動の作用に関するこれまでの研究とは異なり、Pincelli Hullらは環境との関連がより深い1つの噴火特徴であるガス放出を評価した。彼らは複数のシナリオでの炭素循環モデリングによってデカン・トラップからのガス放出の年代、および二酸化炭素と硫黄の排出の長期的な地球気温に対する影響を調べ、その結果とK/Pg境界絶滅イベント中の地球の古温度記録を比較した。結果、主なデカン・トラップからのガス放出の少なくとも50%以上は小惑星衝突直前ではなく、それよりかなり前に起こっていたことが判明した。したがって大量絶滅イベントと同年代なのは小惑星衝突だけだったと彼らは述べている。彼らが示したガス放出の年代には炭素循環が変化して海が大量の二酸化炭素を吸収できるようになったことで、大量絶滅後にデカン・トラップ火山活動によって起こることが予測される地球の温暖化は制限されたと思われる。「デカン・トラップの火山活動は大量絶滅後の新生代の種とその群生の登場を形成することに貢献したと考えられる」とHullらは述べている。

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