深海環境のかなりの部分が国家の管轄権が及ばない領域に属しており、その海洋資源の利用に関する法の規制が定められていないことを受け、海底資源の管理のための新しい国際法が必要となっている。国連ではこういった政策の開発が模索されている。今回のPolicy ForumでR. Danovaroと共著者らは、この様な政策を確かなものとするための方策を提案した上で、一連の懸念事項に言及している。この様な議論は、国連で進んでいる交渉にとって有益なインプットとなるだろう。新規に政策を作成するにあたっては、海洋保護領域の特定を改善するためといった理由から、様々な生態学的及び生物学的な要素に関する相当な知識が必要とされる、と著者らは語っている。生物学的データの収集を可能にするための海中のインフラや技術へ関連産業が共同出資することで、プロセスの向上を図ることができる。新規の国際合意に向けて研究機関、学術機関、産業界、及び非政府組織からのインプットを統合することの重要性、並びに海洋に関する理解における海盆規模でのギャップに向き合うために、海洋研究のリソースや技術を国家間で調整することの重要性を、著者らは強調している。
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