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タンパク質は糖尿病性腎症のリスクマーカーおよび治療標的となりうる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

糖尿病患者358名を対象とした7~15年の縦断的研究で、血中の3種類のタンパク質と糖尿病性腎症の緩徐な進行および進行性腎不全との関連性が示された。Zaipul Md Domらの結果は、これらのタンパク質が、腎障害のリスクが高い糖尿病を特定するうえで役立ち、早期の介入と治療を可能にする可能性があることを示唆している。血糖コントロールと腎臓の治療が進歩しているにもかかわらず、1型・2型糖尿病患者は、依然として高い糖尿病性腎症のリスクに直面している。この病態は、最終的に末期腎疾患に進行する場合があるが、一部の患者は他の患者に比べて腎機能低下が緩徐である。近年、科学者らは一部の患者の進行が緩徐である理由と、糖尿病の影響から腎臓を保護するタンパク質を持っているかどうかを理解することに重点を置いている。Md Domらは、Joslin Kidney studyの一環として、さまざまな程度の糖尿病性腎症を有する1型および2型糖尿病の2群の患者(計358名)を7~15年間追跡した。患者の血漿中の1,000を超えるタンパク質を解析したところ、進行が緩徐な患者はタンパク質ANGPT1、TNFSF12、FGF20の量が多いことが明らかになった。研究チームは1型糖尿病患者294名から成る独立した患者群でこの関連性を確認した。また、FGF20が腎合併症のない1型糖尿病患者の、糖尿病ではない健康な両親で増加していることも示された。大規模な試験で検証されれば、この知見は「(1型糖尿病における)進行性の腎機能低下の決定因子に関する将来の研究に大きな意味を持つだろう」とMd Domらは述べている。しかし、3種類のタンパク質と糖尿病性腎症の予防に関する因果関係を確認するにはさらに研究が必要であることを指摘している。

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