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カンブリア紀の神秘が詰まった宝の山、新たに出土

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

中国の淡水河の土手に沿って初期カンブリア紀の化石群が発見されたことが新しい研究で報告された。その研究結果によると、この新しい化石群はこれまでに記録されているバージェス頁岩といったカンブリア紀の重要な遺跡に匹敵する可能性があるという。5億年余り前、地球上の原始動物の多様性と構造が爆発的に増加した。カンブリア爆発である。この進化イベントで動物の系統樹に大多数の主要動物門の最初の枝ができた。カンブリア爆発について判明していることの多くは、この原始動物の地質学的遺物が保存されている遺跡の化石記録から学んだことである。今までのところ、バージェス頁岩と澄江化石産地ほどカンブリア爆発を知る上で重要な化石群はおそらく他にはなかった。どちらの遺跡にも、化石になりにくい軟体動物など様々な化石の大群が良い保存状態で埋まっている。Dongjing Fuらは今回、新しい初期カンブリア紀の化石群である清江(Qingjiang)生物相を提示している。この生物相は質や分類学的多様性においてバージェス頁岩や澄江化石産地に勝るとも劣らないばかりか、これまでに発見されていない種を予想以上に多く含んでいることも判明した。Fuらによると、この遺跡でこれまでに確認された101の動物種のうち半数以上(53%)が過去に記録のない種だという。さらに、この生物相と同時期の澄江の生物相には顕著な違いがあり、このことは両者が発展した古環境が異なることを示唆している。Fuらは、清江ならではの特徴から原始動物の進化の解明に多くの情報が得られるだろうと述べている。関係するPerspectiveではAllison Daleyが、「清江生物相という宝の山の発見はカンブリア爆発の時に古環境が生態学的構造や進化の推進力にどのような影響を与えたかが解明できるエキサイティングな機会だ」と書いている。

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