News Release

海洋における溶存硫黄のインベントリがようやく入手可能に

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

海洋における硫黄の大部分は溶存有機硫黄であり、他の硫黄種の数十倍規模で存在していることが、この度研究によって明らかになった。今回の結果は海洋における溶存有機硫黄を海盆規模で計測した初となる結果に基づいており、海洋中の硫黄循環に関するこれまでの研究者らの常識に異議を唱えるものとなっている。硫黄は植物性プランクトンの生存、並びにエアロゾルの形成や気候制御といった様々な気候過程に必要不可欠な要素であるにもかかわらず、特に検出が困難な海洋中の溶存有機硫黄については知られていることが限られてきた。今回の研究でKerstin Ksionzekと共同研究者らは、2008年11月から12月にかけて東大西洋から南極海を横断する形で集められた海水のサンプルを使って、溶存有機硫黄ストックのインベントリを求めた。著者らはその結果を地球全体の海洋に当てはめ、海洋中に蓄積された有機硫黄の大部分が溶存有機硫黄であり、海洋におけるその他の有機硫黄の蓄積量よりも数十倍多く存在していると示唆している。さらに、溶存有機硫黄は有機窒素と非常に類似した形で微生物環(溶存有機物質やプランクトン等から構成される海洋における栄養経路)に非常に深く関わっている。

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