脱毛症は命を脅かす病気ではないものの、世界中で多くの人を悩ませています。そこで近年、新しい治療法として毛髪再生医療が期待されており、毛包と呼ばれる毛を作り出し維持する器官の再生が可能となりつつあります。毛髪再生医療の普及には毛包のもとである毛包原基を一度に大量調整することが課題のひとつです。今回、同研究グループは、マウスを用いた実験で、酸素透過性の高いジメチルポリシロキサンを用いて作製した培養器を利用し、1度に最大5000個の毛包原基の作製を可能にしました。さらに、作製した大量の毛包原基(HFGチップ)をマウスの背中に移植すると、毛包原基が生着し新しい毛が生えてきました。再生した毛の成長サイクルもほぼ正常でした。,/p>
今後、ヒトでも同様の培養方法による毛髪の生産と移植が確認できれば、脱毛症の治療などの毛髪再生医療が飛躍的に進歩すると期待されます。
本成果は11月6日に、Biomaterialsにオンラインにて発表されました。
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Biomaterials