News Release

CAR-T細胞療法は臨床で進歩を遂げる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

進行B細胞非ホジキンリンパ腫の参加者32例を対象とした第I相臨床試験で、全T細胞集団ではなく特定のT細胞サブセットを用いた免疫療法が、強力な抗腫瘍活性を示した。この知見は、キメラ抗原受容体(CAR)改変T細胞療法(腫瘍細胞を標的とするようにデザインした人工的な受容体でT細胞を再プログラムする方法)の完全な能力を引き出すためには、少数の重要な変数(最適なT細胞の組み合わせ、使用量、治療前化学療法レジメン)を突き止めることが重要であることを示唆している。この療法は臨床に向かって早いペースで進んでいるが、CAR-T細胞構成の不一致が大きな障害である。Cameron Turtleらは、よりよい患者の転帰に向けたCAR-T細胞療法の効率化に取り組み、治療の効力を高めるため、被験者に、フルダラビン(CAR-T療法の前によく投与される化学療法の一種)使用・非使用下で固定濃度で特定の比のCD4およびCD8 CAR-T細胞を投与した。フルダラビン群の患者は、高い奏効率に加えてCAR-T細胞の増殖と癌に対する耐久力が良好で50%が完全奏効を達成したのに対し、フルダラビン非投与群では8%であった。フルダラビン投与は全般的に毒性も大きかったが、Turtleらは、CAR-T細胞注入後の毒性の指標となり、早期介入が有効な高リスク患者の同定法の候補となる血中のバイオマーカーを検出することに成功した。これらの結果を併せるとCAR-T細胞療法の全般的有効性と安全性を促進するための戦略に向けた新しい見識が得られる。

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