News Release

塩水を淡水に変える精巧なデザイン

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

塩水を淡水に変える精巧なデザイン “Turing” Saltwater into Freshwater 水を脱塩する改良型の膜が開発された。膜構造の変化を制御することによって、膜を通過する水の流量を5倍に増やすことに成功したのである。さらにこの進歩は、アラン・チューリングが科学に果たした最大の貢献の一つを実証している。1952年、アラン・チューリングは亡くなるわずか2年前に、彼唯一の化学論文を発表した。彼が立てた理論では、ある反応を活性化する化学物質と抑制する化学物質が両方含まれていて、一定の条件下にある場合、反応中の拡散によって、互いに特定の間隔を置いた分子構造が生じるとされた。それから60年以上たった今回、Zhe Tanらはこの理論を実地に応用し、斑点や縞模様のチューリング構造を作ることで、水浄化能力を劇的に向上させた。テストの結果、このシステムは水と塩を分離する能力に優れ、従来のナノ濾過膜をしのぐことが明らかになった。著者らは、従来の高分子膜には、水透過性を高くすると必然的に水と塩の選択性が低くなるという矛盾があるのに対して、今回のシステムは高い水透過性と水と塩の高い選択性を併せ持っていると述べている。

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