News Release

脱リグニン木材における受動的放射冷却

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新たな報告によると、新しく開発された木質系材料によって特に暑くて乾燥した気候においてビル冷房に付随したエネルギー費用を最大50%削減することに向けた持続可能な経路が得られる可能性がある。この鮮やかな白色の「冷却木材」は、天然木材よりも8倍超の強度があるが、高反射性であって受動的放射冷却が可能でもあり、これらは次世代省エネルギー構造材料に大いに追い求められてきた2つの特性である。ビルのエネルギー需要は米国の総エネルギー需要の40%超を占めており、その内の約半分が、しばしばエネルギー効率の悪い方法で冷暖房のために使用されている。室内環境の冷房は特に課題であって、エネルギーが大量に消費されるので、受動的放射冷却はビルのエネルギー効率を改善するための魅力的な選択肢になる。受動的放射冷却材料では、エネルギーを消費することなく、入射する太陽放射を逸らせて、熱エネルギーを散逸することができる。ビルの受動的放射冷却を達成するための幾つかの方法が実験的に実証されているが、広範囲にわたり採用されるために必要な規模で冷却システムの製作および実装を行う能力は未だ実現が困難である。リグニン(植物細胞が硬くなるのを助ける重合体)の除去された木材を圧縮することによって、Tian Liらは既に広範に使用されている持続可能な建築材料の品質を向上して、素晴らしい機械的特性および放射冷却特性を備えさせた。Liらによると、脱リグニンおよび高密度化のための加工が完了すると、冷却木材がかなりより強固になるだけでなく、セルロースナノファイバーが部分的に整列されるので、冷却木材はその表面の日射反射率が高くなり、赤外放射率が高くなる。冷却木材の放射流束に関する試験から、昼夜において連続的に外気温より低く冷却することが実証されている。さらに、米国の16都市における冷房費用評価結果から20%~50%の間で費用が削減されることが分かっている。

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