News Release

アイスランドの溶岩の起源を探る

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新たなデータによって、地球内部の深い所にある部分溶融物の領域に関する前例のない描写が明らかにされており、この領域がアイスランドの存在する地表に物質をプルームの形態で供給していると思われる。この発見を以前の研究から得られた証拠と組み合わせると、地球深部、核-マントル境界の近傍にあるこれらの溶岩領域が、玄武岩でできた海洋諸島の連なりが地球表面に沿って形成される原因であることが示唆される。地球の核-マントル境界の周りには、超低速帯(ULVZ)と呼ばれる領域があり、この領域は速度が周囲の物質より最大30%遅い溶岩によって特徴付けられている。しかしながら、ULVZが極端な深部にあるため、ULVZ を描写することは特に困難であった。ULVZはポリネシアのサモアおよびハワイ諸島の下部で検出されているが、科学者らは、それらの形状を明確に描写することができなかった。連なる火山島群の下にあるこれらのULVZが近接していることから、溶岩の巨大な貯留層によってマントルプルームが供給され、地球の表面に火山島群が創り出されていることを示唆する理論が提唱されている。今回の論文では、Kaiqing Yuan1 およびBarbara Romanowiczが地震波トモグラフィー(地震波が使用されて、地球内部についてX線のような画像が生成される)を使用して、アイスランドの地下にあるULVZを調べた。これらの著者らの結果に基づくと、直径約800 kmおよび高さ約15 kmの部分溶融した岩石の巨大な円形状の塊が核-マントル境界に沿って存在し、この玄武岩でできた島の地下から直接プルームを供給しているように思われる。このULVZ の位置、形状および下部マントルを上昇するプルームの幅に比例する大きな直径から、ULVZとその上を上昇するプルームとの間に密生な繋がりが示唆されていると、この論文の著者らは指摘している。これらの新たなデータをサモアおよびハワイの下にあるULVZの既知の存在と組み合わせることによって、この論文の著者らは、特定の範疇の大規模ULVZが広大なプルームの根本に形成され、活発なホットスポットが供給されていると提案することになった。

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