News Release

観測から明らかにされた地球磁気圏における2段階のエネルギー伝達過程

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

地球磁気圏のその場観測により、長い間考慮されてきたが直接示されなかった現象であるエネルギーが水素イオンからプラズマ波に伝達され、次に、プラズマ波からヘリウムイオンに伝達されるということが示された。プラズマとの相互作用は宇宙空間で日常的に発生しており、地球の放射線帯、磁気嵐、オーロラおよび惑星の大気喪失などを含む数多くの宇宙プラズマ現象について、これらの結果からより良い理解が得られることになるであろう。プラズマは電離気体であり、陰電子、陽イオンおよび電磁場が存在する。これらの電磁場は時間的に振動することがあり、エネルギーがプラズマとして伝達される。原理的には、これらのプラズマ波が2つの異なる種類のイオン間でエネルギーを伝達する媒介として機能することがあり得るが、現在までのところそのような過程が直接観測されていなかった。MMS(Magnetospheric Multiscale)という磁気圏観測衛星ミッションの一環として、4機の衛星が地球磁気圏を密集編隊飛行している。地球磁気圏は地球磁場の支配的なプラズマ領域である。これらの衛星が2015年9月1日、磁気圏の異常な領域に遭遇しており、予想されたとおり、この領域では、水素イオンからプラズマ波へのエネルギー伝達があったとNaritoshi Kitamuraらが報告している。著者らはプラズマ波から隣接するヘリウムイオンへのエネルギー伝達がさらにあったことを発見し、どのようにしてこれらのヘリウムイオンが高エネルギーに加速されるかについて説明している。宇宙空間で遍く発生している波動・粒子相互作用についてこれらのデータから重要な知見が得られるであろう。

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