News Release

科学で依存症を撲滅する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

今回のPolicy Forumでは、Keith Humphreysらが、依存症に対処する政策に影響を及ぼすには、科学のなかでも特に神経科学が必要であると強調している。米国大統領特別委員会が6月27日にオピオイド依存症を撲滅するための政策提言を行う予定であることを考えると、Humphreysらの提言は時宜を得たものといえる。米国では1日あたり平均91人がオピオイドの過量摂取で死亡している。著者らは、最近の技術進歩によって依存症がいかに蔓延し、強力になってきているかを強調している。例えば19世紀半ばには、工場労働者が1本のタバコを巻くのに約1分かかり、そうして出来上がった製品は非常に刺激が強かったので、ニコチン依存症になるほど深く吸い込める人は少なかった。それが今では、機械で1分間に2万本のタバコを巻くことが可能で、タバコも刺激が弱められたりブレンドされたりして深く吸い込めるようになり、ニコチン依存症が助長されている。技術進歩は依存症率増加の一因ではあるが、科学を用いて依存症に対抗することも可能である。Humphreysらは、マリファナなどを例に挙げ、科学が薬物規制の改善に影響を及ぼしうる方法について言及している。また、薬物依存症は動機付けや報酬や意思決定にかかわる脳回路に長期的な変化を及ぼすという。こうした変化に対処するプログラム(サウスダコタの「24/7 禁酒」プログラムなど)は、ある程度の成功をおさめている。神経科学が公共政策に影響を与えるには、積極的な教育活動と説明努力が欠かせないと、著者らは結論づけている。

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