東北大学大学院工学研究科電子工学専攻の加藤俊顕准教授、赤間俊紀(同大学院生)、大北若菜(同大学院生)、金子俊郎教授らのグループは、原子オーダーの厚みを持つシート材料である遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)を用いて、透明かつフレキシブルな太陽電池の開発に成功しました。
透明フレキシブルな太陽電池が実現できることで、現在主流のシリコンを用いた太陽電池では設置が困難な車のフロントガラスやビルの窓、携帯電話ディスプレイの表面、さらには人体の皮膚等あらゆる場所へ太陽電池を設置することが可能となり、実社会において非常に大きな技術革新が期待できますが、TMDを使った透明太陽電池を大面積基板に作製する技術は開発されておらず、実用化に向け大きな課題とされてきました。
本研究では従来広く用いられているデバイス構造とは異なり、電極との仕事関数差により決定されるショットキー構造を利用したショットキー型太陽電池に着目しました。電極構造を最適化した結果、透明なTMDを用いた太陽電池では世界最高の発電効率0.7%を達成しました。さらに、簡便な本手法を用いることで透明フレキシブルな大面積基板上での太陽電池作製が可能であることを実証しました。これによりTMDを用いた透明フレキシブル太陽電池の実用化に大きな貢献が期待できます。
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本研究成果は、2017年9月20日18時(日本時間)に英国科学雑誌Scientific Reports(電子版)に掲載されます。
Journal
Scientific Reports