研究チームが、南北アメリカ大陸に定着している既知の植物の包括的なリストをまとめ、2大陸全体の植物多様性とパターンを明らかにした。関連したPerspectiveで、Thomas J. Givnishはこの業績を、「世界中の保全生物学者、生態学者、進化生物学者、生物地理学者、土地管理者、政府の役人が大きな興味を示すであろう特筆すべき功績」としている。公的に検索可能なチェックリストには、世界中の既知の維管束植物の33%を構成する124,993種、6227属、355科が含まれる。Carmen Ulloa Ulloaらは、このようなデータベースを作成するため、1993~2016年に科学者が作成したアメリカ大陸全体の地域の植物チェックリストをまとめた。Ulloa Ulloaらの報告によれば、51,241種が北アメリカ大陸、82,052種が南アメリカ大陸で生じ、これらの2大陸間で共有されているのはわずか8,300種である。アフリカ大陸の方がほぼ2倍大きいにも関わらず、南アメリカ大陸はアフリカよりも植物種が多い。著者らによると、アメリカ大陸の中ではブラジルの植物相が最も多様である。アメリカ大陸の植物種のほとんどは1つの国や地域のみで発見された。Ulloa Ulloaらは、年ごとに発見されている新しい植物種の数に基づき、2050年までにアメリカ大陸でさらに約25,000種が報告されると予測している。
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